このお話は、「Kreis M」様の、
管理人様がお書きになったものの続きを、
書かせていただいたものです。



     after − aphrodisiac








俺は、岩城さんを強引にソファに引っ張った。

「香藤っ・・・や、やめっ・・・」

「い、や、だ。」

言葉の一つ一つを、区切って、強めに言ってみた。

「おまっ・・・この後、仕事なんだぞ?!」

「だって、我慢できないもん・・・岩城さんが欲しいよ・・・。」

じっと岩城さんを見つめると、頬を染めて俯いて黙った。

それから見上げた瞳が潤んでて、

もう、OKだって勝手に解釈して、

その身体を抱え込んでソファに押し倒した。

「・・・んっ・・・」

塞いだ唇から、幽かに、血の味がした。

「・・・ぁっ・・・」

着ているシャツの中へ手を滑り込ませると、

岩城さんの唇から、小さな声が漏れる。

「・・・ねぇ・・・いいでしょ?」

・・・今更、聞くなって顔で、睨まれた。

その顔が色っぽくて、理性が吹っ飛ぶ。

かなり乱暴に、服を剥ぎ取って素裸にした。

「・・・おいっ・・・ちょっと、落ち着け!」

「無理!」

「・・・あんっ・・・」

言ってる岩城さんの胸の飾りが、紅く染まってる。

それを舐めると、物凄く甘くて・・・。

「・・・感じてるくせに・・・あ、痛っ・・・」

ペシッ、って叩かれた・・・。

「もう・・・。」

「・・・余計なことは、言わなくていい・・・。」

・・・上から見下ろす岩城さんは、ほんとに綺麗だ。

頭がくらくらするくらい色っぽい岩城さんに、

ゆっくりと重なって左手を、握った。

その小指の傷に、そっと、唇を落とす。

「・・・はぁ・・・。」

熱い溜息を漏らす岩城さんに思い切り煽られて、

自分は服を脱ぐ余裕もない。

いつだってそう。

岩城さんを前にすると、ブレーキが簡単に壊れる。

「・・・んっ・・・」

岩城さんの唇。

見つめていると、喰らいつきたくなる。

で、思い切り吸ってると、岩城さんの舌が俺を誘ってくる。

でも、それって、ほとんど無意識みたいだ。

・・・だから、余計に誘われたくて・・・。

ずっと、上唇とか、下唇とか、甘噛みしたりして・・・。

口角を舐めてると、必ず、声が漏れる。

そうしてると、岩城さんはもっと、って舌を差し込んでくる。

・・・それ、反則・・・色っぽ過ぎる・・・。

すぐ、夢中になって、我を忘れて・・・。

肌を弄る俺に、岩城さんの声。

「・・・はんっ・・・か・・・香藤ッ・・・」

腰を押し付けてくる岩城さんの両足、掴んで開かせた。

もう、零れてる・・・。

・・・堪んない・・・。

俺のこと、欲しがってくれてるのが、嬉しくて。

涙浮かべて、俺を見つめるの、やめてくれないかな・・・。

「・・・か・・・とう・・・。」

「うん・・・。」

って、返事するのが精一杯。

岩城さんがして欲しいように、舐めて、吸って・・・。

零れている岩城さんのものも、甘い。

「・・・んぁっ・・・あぅんっ・・・んんぅ・・・」

頬に当たる、岩城さんの震える腿。

凄く、滑らかな肌・・・。

視線を上に向けて、岩城さんを見た。

引き締まったお腹と、反り返った胸が見えた。

くねる身体が、とんでもなく、艶かしくて・・・。

俺しか見れない、岩城さんの姿。

・・・なんて、幸せ・・・。

怪我をした指がソファに当たらないように、

ずっと、岩城さんの左手を右手で握ってた。

そしたら、俺の指に岩城さんが指をからめてきた。

「・・・あぁっんっ・・・」

ぎゅって、指に力が入った。

飲み込んだ俺が、起き上がったら、

岩城さんは恥ずかしそうにしてた。

「・・・香藤・・・」

ジーンズ下ろすのも、下着を下ろすのも、まどろっこしくて。

余裕なんか、全然ない。

ほんとは、優しくしてあげたいのに。

「・・・んぁあっ・・・」

もう、ほんとに、後はただ、岩城さんが欲しくて、欲しくて・・・。

思い切り、突き上げるだけになっちゃって。

「・・・あぅんっ・・・んんあっ・・・」

岩城さんが俺の腕を掴んで、喘ぐ。

仰け反って、悲鳴上げて。

腰、擦り付けて、揺らめかして。

・・・ほんとに愛し合うと、淫らな姿さえ美しいんだって、

岩城さんで初めて知った。

でも、この姿って、凶器なんだよ。

俺にとっちゃ、岩城さんの全身が催淫剤なんだ。

本人、まるっきり、わかってないけど。

「・・・あぅんっ・・・んあぅっ・・・香藤ゥ・・・か・・・香藤ォ・・・」

ああ・・・もう・・・お願い、勘弁して・・・。

・・・その呼び方、腰にくるんだって・・・。

頭の中が、おかしくなる・・・。

「・・・岩城さんっ・・・」

「・・・んくっ・・・あぁぁっ・・・」




「ごめんね、無理させて・・・。」

多分、俺、思い切り情けない顔してたんだと思う。

シャワー浴びてリビングに戻って、

ソファで岩城さんの小指に絆創膏を張りながら、

そう言った俺に、岩城さんが、クスって、笑った。

「いいさ。気にするな。」

「でも・・・俺、どうしてこうなんだろ・・・。」

頭をかいてた俺の手をとって、岩城さんは手の平にキスをくれた。

「お前に盛るなって言っても、無理だろ?」

「なぁに、それ?ひどぉ〜・・・。」

「お前と暮らし始めた最初の頃に、諦めた。」

「諦めたって、なにそれ?!岩城さんだって、好きなくせに!」

やばい!って、言った後で気づいた。

案の定、岩城さんの眉がつりあがった。

「なんだって?」

「いや・・だって・・・岩城さん、大概好きだなって、言ったことあるじゃん・・・」

「うるさいっ!」

岩城さんの顔が、赤く染まった。

「自分で言うのと、言われるのじゃ、違うんだ!」

うわ・・・真っ赤な顔して、俯いた。

・・・か・・・可愛い・・・。


・・・どうしよ・・・また、催してきた・・・。

・・・俺って、ほんとにしょうがない奴・・・。





   〜終わり〜



     弓




   2005年7月30日
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