An usual thing    −岩城side−






二人揃ってのオフ。

少し遅めに起き、溜まった家事を片付ける。

「...ごめんね、腰、大丈夫?」

洗濯をしながら腰を擦っている俺に、香藤が少し気まずそうに声をかけてきた。

「ごめん、俺っ、昨日止まンなくなっちゃって...。だって岩城さん、すごく可愛

かったから...」

「ばか、可愛いとか言うな。」

....いい、俺も嬉しかったから...という代わりに、その柔らかく明るい艶を

発している髪に、くしゃくしゃっと手をいれた。

「ホントごめんなさいっ。あ、掃除は俺がやるから!」

そう言い捨て、さっさと行ってしまった。

可愛いのはどっちだ...あんまり元気過ぎるのも困るけどな。

そんなことを思いながらの洗濯は、大して苦ではなかった。



昼食はいつもに比べ、量も質も多かった。

こういうところが香藤らしい。一応、反省しているということか?

そんなことにも、大事にされていると思う俺も甘くなったな。



その後、俺はいつものようにソファーで本読み始めた。

すると、待ってましたとばっかりに、ささ、と膝の上に頭を乗せてきた。

「へへ・・・」

いつの頃からか、これが当たり前のようになっている。

香藤はさっきから独り言の様に話しているが、俺は適当に流している。

というか、返事すらしていないこともある。つい、本に引き込まれてしまう。

しかしこれも、よくあることなので香藤もさほど気にしていないだろう。

なんだか静かになったと思い、視線を感じて膝に目を落とす。

じっと見つめる香藤の目と合う。

「...なんだ?」

思いがけず真剣な瞳に心が騒ぐ。

「ねえ、俺のこと愛してる?」

なっ、何を突然こいつはっ

「岩城さん、ねえ。愛してる?」

じっと見詰められ、自分の体温が上がるのがわかる。

そんな目で見るな。空いている方の手を握られた。

「..ねぇ?」

と、音をたてて俺の手にキスを落としてゆく。

ちゅ、ちゅ、ちゅ・・

あ、熱い、顔が...

「俺は岩城さんが好き。愛してるよ。この手は絶対離さないから。」

「香藤...」

いつもいつもこっちが恥ずかしくなるような愛の言葉を告げられる。

「ねえ、愛してる?」

「...ああ...」 

これでいいだろう?

「ちゃんと言って?....俺のこと、愛してる?」

視線を逸らさずに、更にちゅ、ちゅ、とキスをされる。

香藤の真正面からくる愛の表現は、俺を幸せにしてくれるもののひとつだ。

俺だって香藤に惜しみなく与えてやるべきだとは思っている。

しかし...。

「....好きだ...」

そう言ったそばから恥ずかしくなり、本に視線を戻す。

こんな真昼に、素面で言えるのはこれが精一杯だ。

「ちぇ。岩城さんはー。...いいよ、それで勘弁してあげる。」

俺の本を取り上げながらそんなふうに言うけど、本心ではもっと喜んでるのが、

お前のユルユルの顔を見れば一目瞭然だ。

尻尾もパタパタ揺れてるんじゃないか?

「でも、こっちは勘弁できないから...愛してる。」

と、深いキスをされる。

...もう、お前は本当に....

「アイシテイル」と心で呟いた。



戻る −香藤side− うへへっvv
harumiさんから、
強奪しましたvv
harumiさんの、
初SSですvv
岩城さん、
可愛いvv

香藤君sideもありますvv