From here to eternity








生まれてきてくれて、ありがとう。

東京へ出てきてくれて、ありがとう。

AV男優になってくれて、ありがとう。

でないと俺は岩城さんに出会えなかった。




一年の中で、大事な日がいっぱいある。

バレンタインとか、

クリスマスとか、

お正月とか、

結婚記念日とか。

でも、

岩城さんの誕生日が、

俺にとっては一番大事な日。




岩城さんがこの世に生まれた日。




岩城さんのご両親に、

感謝しなくちゃいけないよね。

お兄さんにも。

彼らがいなかったら、岩城さんはいない。

お兄さんは、俺に感謝されるの、

ちょっといやかもしれないけどさ。




今年の岩城さんの誕生日。

俺達の結婚10周年。

早かったね、あっという間だったよ。

ガキだった俺が、30を越えた。

ただ、岩城さんが欲しくて、

突っ走った俺が。




今でも、時々、気がつくことがある。

岩城さんのこと、

気が狂いそうになるほど、

愛してるって。

岩城さんのことを思うと、

ドキドキしたりするんだよね。




普段はね。

落ち着いて岩城さんのこと、

見てたりするんだけど。

なんだろね。

ものすごく、切なくなって、

叫びたくなるんだよ。

岩城さんが好きだって。

馬鹿、って言われるだろうけど。

でも、ほんとのことだから。




なんだか若くなっちゃって。

昔は、老けてたってわけじゃないんだけど。

どんどん綺麗になっちゃって。

びっくりするくらい。

俺のせい?

おかげ?

色っぽくなっちゃったのは、

俺的には、嬉しいんだけどさ。




ここんとこ、なんだか、いらない苦労が増えてるし。

心配はしてないけど。

岩城さんは、俺だけしか見てないって、

俺、わかってるから。

でも、世の中には馬鹿もいるからさ。

・・・ま、岩城さんには通じないと思うけどね。

あれ?

岩城さんにとことん溺れてる俺が、一番馬鹿かも。






「香藤?」

「んあ?」

気がついたら、岩城さんの顔がいきなり目の前にあった。

「どうしたんだ?にやけて。」

「へ?そう?」

きょとんとした顔が、やたら可愛い・・・。

ほんとに、今日で、37?

「あのさ、岩城さん。」

「うん?」

「好きだよ。」

「・・・。」

なんで黙り込むかな。

「ねぇ、岩城さん。」

「なんだ?」

「好きだよ?」

「だから、わかってる。」

わかってる、か〜・・・。

最近、どっしりしちゃって。

頬染めたりしなくなったよね。

俺のこと、心底信じて。

だから、当たり前のこと、なんだよね。

「ベッド、行かない?」

あ〜・・・。

呆れた顔してる。

でもさ。

「岩城さんの誕生日、ベッドの中で迎えたいし。」

「・・・お前、毎年そう言ってるだろ。」

「当然。」

「それに、いちいち言わなくても、毎年そうだろうが。」

「それも当然。」






岩城さんの匂い。

天国の匂い。

愛してる・・・って言うと、岩城さんの中が俺に絡み付いてくる。

きゅうって、締め付けてくる。

俺もだ、って、言われてるのと同じ。

身体を繋げる度に、深い処が余計に繋がる気がする。

もっと深く、もっと深く。

そのまま、岩城さんの中に、俺の身体ごと全部入りたい。

岩城さんの身体に、俺のすべてを刻み込んで。




「・・・あぅっ・・・」

俺の為だけに、身体開いて。

この両脚の間に入ることが出来るのは、

それを許されたのは、俺だけだから。

だから・・・。

「愛してる、岩城さん。」

「・・・んっふぅっ・・・」

言葉なんてなくても、岩城さんの全身が、

「愛してる。」

って、伝えてくれる。

「お前が好きだ。」

って、聞こえてくる。

岩城さんの喘ぎ声の中に、全部、入ってるから。

「お前だけだ。」

って、岩城さんの全身が言ってる。






肌を桜色に染めて、

痛いくらいに俺を締め付けて、

後ろで達く岩城さんを見てるって、

最高だね・・・。

俺もそれで達っちゃうんだけど。




少し眉を寄せて、余韻に浸ってる顔。

汗にまみれて。

睫が震えてて。

少し開いた唇から、熱い息遣い。

色っぽ過ぎるんだよな・・・。

呆れるくらい、えろい。

見慣れてるんだけど、

見る度に、下っ腹に力が入るっていうか。

「・・・いい加減にしろ。」

「って、言われても・・・。」

うっすら微笑んで、睨まないで欲しい・・・。

「それ、誘ってるようにしか見えないから。」

「だから?」

だから、ってさ〜・・・。

わかってるけど。

ちょっと、腰引いたら、岩城さんの中が行くな、って止めた。

「お望みどおり、誘われてあげる。」

にっこり微笑んで、俺を抱きしめる。

「・・・ねぇ、ほんとに37?」

「なんだ、それは?」

「だってさー・・・。」

どアップ、なんだよ、今?

なのに、肌、ピッカピカ・・・。

「岩城さん、年取ってないでしょ?」

「馬鹿か、お前。俺は化け物じゃないぞ。」

「・・・そうかなぁ・・・。」

腰揺らしたら、俺の顔に岩城さんの息がかかった。

甘い息。

濡れた眼で俺を見上げて、俺の尻掴んで、

両脚上げて、俺の腰挟み込んで。

「・・・ん・・・」

あは〜は〜・・・。

思いっきり、今、俺の息子がでかくなった・・・。

「欲しい?」

半開きの唇が、煽るみたいに。

俺が言って欲しいの、わかってる。

すり、って岩城さんの腿が、俺の腰を撫でる。

ゆっくり、瞼閉じて、開いて。

とろん、とした瞳が俺を見上げた。

「・・・ああ・・・欲しい・・・もっと。」

たまんない・・・。

挿れたまま、岩城さんの奥に俺を押し込んだ。

「・・・んはっ・・・」

眉しかめて仰け反る岩城さんに、

煽られまくって。

もっと深く、もっと強く。

岩城さんの手が、俺の背中を掴む。

「・・・くふっ・・・」

縋り付いて、俺の頬に唇押し付けて。

キスしてくれって、合図。

絡み付いてくる岩城さんの舌。

俺が求めてるだけじゃない。

岩城さんに求められる、

それって、ものすごい幸せ。




「・・・か・・・とォ・・・」

これ、聞いただけで、俺の全身が熱くなる。

掠れた声で、俺の名を呼ぶ。

スイッチ押されたのと同じ。

・・・知らないよ、どうなっても。

「もっとっ・・・」

「いいよー、やっちゃうよ?」

にんまり笑ったら、

岩城さんも、笑い返した。

俺のこと、満足させてみろ、って顔だ。

「俺、自信あるからね。」

くすっと岩城さんが笑った。

そんなこと、わかってるって頷いた。

「・・・ひぁうっ・・・」

俺の下で、身体震わせて、

乱れまくる。

嬌声が響く。

岩城さんの中が、俺を巻き込んで、

奥へ、奥へと誘う。




「・・・ふっんっ・・・」

達った岩城さんに思い切り締め付けられて、

俺もあっちに飛ばされる。

いつものことなんだけど。

強烈なんだ、これ。

我慢してても、岩城さんが達くときの中って、

すっごい・・・。




火照ったままの、岩城さんの肌。

濃い、桜色。

まだ敏感だから、

ちょっと触れただけで、息をつめるようにして、

身体が少し跳ねる。

「・・・大丈夫?」

やりすぎた自覚、あり。

「ああ・・・。」

俺の首に腕回したまま、

岩城さんが頷いた。

すり、って頬が当たる。

「・・・誕生日、おめでとう。」

「うん・・・。」

顔上げて、見下ろした岩城さんの顔が、

ゆったりと微笑んだ。

「来年も、再来年も、十年後も、二十年後も、

岩城さんの誕生日は、ベッドにいるからね。」

「いるからね、って決定なのか、それは。」

「当たり前。」

岩城さんが呆れた顔で俺を見上げた。

・・・って言うか、なに、その笑顔?

「で、誕生日、だけなのか?」

・・・絶句。

「毎日!」

声上げて、楽しそうに笑っちゃって・・・。

「大好きだよ、岩城さん。」

ずーっと、ずーっと・・・。

そう囁いたら、岩城さんは、わかってるって頷いた。




凶悪な笑顔、

ってこういうのを言うんだろうな。

「なにを、ぶつぶつ言ってるんだ?」

「なんでもなーい。」




「俺、骨抜き、って感じ。」

「なにを今更。」

「今更、なんだ・・・。」

「俺もだ。」

くすくす笑って、岩城さんはマリアの顔で俺を抱きしめた。

「明日オフだし、いいよね?」

「それも、今更だな。」







     終わり




      弓



   2006年1月3日
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岩城しゃ〜んv お誕生日おめでとう〜〜v
・・・ほんとに、37?(爆)
ありえない、37歳・・・魔性の男、でもコネコv ってやつだよねえ(笑)
脳みそが、「かとうvかとうvかとうv」ってなってるから、
きっと若いんだ・・・
でもさ、香藤君の脳みそも、
「岩城さんv岩城さんv岩城さんv」 なんだからお互い様?(笑)