インタビュー  清水&金子







有名人のマネージャーにインタビューする、

という特別番組が組まれた。

当然のように、岩城と香藤の事務所にも、依頼が入った。

両事務所は、それを断ることもなく、

岩城のマネージャーの清水と、

香藤のマネージャーの金子がそれを受けることになった。

番組側から、どうせなら清水と金子、一緒にという申し入れがあって、

二人は並んでインタビューを受ける。

カメラの後ろに、岩城と香藤が座り、

普段とは逆の立場になった清水たちは、

照れくさそうに座っていた。

ディレクターから、岩城と香藤本人を目の前にしても、

気にせずに喋ってくれと言われ、

清水も金子も気にはしながらも、答えていた。




「最初会ったときの香藤さんですか?

 いやぁ・・・元気な方だなぁ、と(笑)

 明るくて、いつもニコニコしていて。

 ・・・正直言うと、若いのに、

 礼儀がしっかりしていて、驚いたんです。」

「私のほうは、驚きませんでしたよ。

 ただ、お年のわりに、落ち着いていらっしゃるな、

 と思いましたけど(笑)」


それは、年のわりに老けていると・・・?(笑)


「いえいえ!そんな、とんでもない(笑)」


(カメラの後ろから、爆笑)


お二人のこと、いつ、気付かれました?


「気付いたって言うか、

 僕はかなり早いうちに、ご本人から聞きましたよ。」


へぇ〜!そうなんですか?


「ええ。香藤さん、とても正直な方だから。

 岩城さんが好きなんだけど、何かあったら、

 手を貸して下さいって言われましてね。」


止めようとは、なさらなかった?


「ええ。

 そんなことしませんよ、うちは。」


それで、金子さんご本人は、どう思われました?


「いやぁ、岩城さんなら、仕方ないんじゃないですか?

 別に、嫌な気持ちはしなかったし。

 それより、香藤さんが岩城さんのことをお話になるときの顔が、

 物凄く嬉しそうで。

 こちらまで、笑ってしまう感じで。」


清水さんは、いかがでしたか?


「私も、特には(笑)

 ああ、そうなのか、と思っただけでしたね。

 香藤さん、お話してみたら、とても良い方で。

 岩城さんのこと、大事に思ってらして。」


色々、スクープとかされたじゃないですか、お二人。
その時って・・・?


「あれは、我々事務所の人間は、信じてませんでしたよ。

 あり得ないってことは、僕たちもわかってましたから。」

「そうですね。うちもそうです。

 お二人に限って、それはないです。」


そういうお答えが返ってきたところで、
そろそろプライベートのことをお聞きしたいんですが(笑)


「困ったなぁ。」

「ご本人たち、目の前にして・・・。」


(カメラが、パーンして、岩城と香藤を映し出す)


いや、ご本人はいないものと思っていただいて(笑)
普段のお二人って、どうなんでしょう?


「変わりませんよ。お二人とも。」

「そうですね、基本的には、変わりませんね。」


基本的には、ってことは、違うところもあるってことですね。


「突っ込みますね(笑)

 ・・・そうですね、香藤さんは、変わらないですよね?」

「ええ、香藤さんは普段も、仕事場でも、

 皆さんがご存知のままですよ。」


じゃ、岩城さんは多少、変わられるって事ですか?


「・・・え・・・まぁ・・・。」


(「清水さ〜ん、言っちゃていいよ!」と、香藤の声。)
(「こ、こら、香藤!」と岩城の声。)
(「まぁまぁ、いいじゃない。」と、香藤の声に清水が笑って)


「そうですね、なんと言うか・・・可愛らしいというか・・・(笑)」


可愛らしい(笑)
具体的には?(笑)


「困りましたねぇ。(笑)」

「香藤さんが、言い過ぎるんじゃないんですか?」


と、言いますと?


「言っていいのかな・・・(笑)」

(「いいよォ!」と香藤の声)

「岩城さんに、綺麗、とか、可愛い、とか、

 しょっちゅう仰るんですよ、香藤さんは。

 岩城さんは、物凄く照れて、顔が真っ赤になるんですね。

 それは、僕なんかから見ても、可愛いなって思いますよ(笑)」


(「だって、しょうがないじゃない。
 ほんとに可愛いんだもん。」と香藤の声)
(「馬鹿・・・。」と岩城の声)
(岩城の真っ赤な顔に、周囲から爆笑)


なにか、ファンの方が喜びそうなエピソードって、ありますか?


「岩城さんのご趣味が、読書とガーデニングっていうのは、

 皆さんご存知でしょうけど。
 
 本当に、綺麗なお庭なんです。
 
 いつも、お花が咲いてて。
 
 岩城さんがお手入れなさってるんです。
 
 香藤さんも、お手伝いされるそうですよ。
 
 お二人で、花壇をお作りになったりして。」


そうなんですか?
素敵ですよね、お二人仲良く。
他に、なにかありますか?


「そうですね。以前の岩城さんのお誕生日に、

 香藤さんがプレゼントを買い込みすぎて、
 
 叱られたっていうのは、お聞きしましたよ(笑)
 
 それに、岩城さんがプライベートで着られるお洋服なんですけど。
 
 ほとんど全部、香藤さんが買ってこられるそうです(笑)」


あら、まぁ!


「お誕生日のは、全部、ペアのアクセサリーだったそうです(笑)

 岩城さんも、お休みのときはそのアクセサリー、

 お着けになってますよ。
 
 お洋服は、香藤さんのお見立てって、

 岩城さんにぴったりですよ。
 
 さすが、わかってらっしゃる(笑)」


何を、ご購入なさったのかしら、アクセサリー?


(「これ!」と香藤が、襟からペンダントを取り出す)
(「やめろ、お前は!」と岩城の声)
(カメラが、それをアップで撮る)


香藤さんには、なにか、そんなエピソードって、ありますか?


「エピソードって言うか、僕自身が感動したことがありますよ。」


それは、ぜひ、お聞きしたい。


「ご自宅をご購入されるときに、

 香藤さん、社長にお願いに来られて。
 
 そのとき、本当に、岩城さんを愛しておられるんだと。」


と、仰いますと?


「・・・一生、岩城さんを大事にしたいから、と。

 あの家は、自分たちの、誓いの証なんだ、と仰られて。

 岩城さんが、示してくれた気持ちに、

 応えないわけにいかない、
 
 責任を分かち合いたいと。
 
 素晴らしいな、と思いましたよ。」


それは、また・・・。


(室内、シーンとなる。)
(一斉に、視線が岩城と香藤に集まる。
岩城は香藤を見つめ、香藤は岩城の髪を撫でる)
(それをカメラ、撮る)


「いいご夫婦ですよ、本当に。」

「ええ、僕もそう思います。

 僕の周りに、あのお二人が理想の夫婦像だって、

 言っていた人がいますよ。」


それは、本当にそうですね。


「お仕事では、お互いに刺激しあって。

 私生活でも、お互いを大事にしあって。」

「中々、いないと思いますね、あんなご夫婦。」


皆さんも、そう思ってらっしゃるんじゃないですか。
ファンの方は、もちろんですが。


「ずっと、応援して差し上げてください。」

「別れる、なんてことは、ありえないと思いますけどね、僕は。」


それは、ないでしょうね(笑)
香藤さんの、お惚気を聞いていると(笑)
今日は、ありがとうございました。
とても、いいお話が聞けました。


「いいえ、こちらこそ、ありがとうございました。」

「ありがとうございました。」


(岩城が泣きそうな顔をしている)
(香藤が肩を抱いている)
(清水と金子、傍に立ち、微笑んで見つめる)
(カメラ、それを撮る)




         〜終わり〜



         2005年6月5日
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