Sweet Memory







今頃、岩城さんは何してるかな・・・。




仕事中だろうか。

清水さんと打ち合わせ?

それとも、家にいるかな。

ちゃんと食べてる?

コンビニ弁当とかで済ませてないといいけど。

掃除とか、洗濯とか、色々させててごめんね。





それ以上に・・・。

一人で眠らなきゃいけないこと。

ほんとに、ごめん。

寂しい思い、させてるよね。

でも、俺も寂しいよ。





そばに岩城さんがいる。

それが当り前だった。

どんなに疲れて帰っても、

岩城さんの肌に触れれば、癒された。

岩城さんの腕に抱かれて、

岩城さんの中に挿入って、

岩城さんのあげる声を聞いて、

その熱さに包まれたら、

どんな疲れだって吹っ飛んだ。





・・・吹っ飛びすぎて、

岩城さんをあっちに飛ばしちゃったのも、

しょっちゅうだったけどさ・・・。





その岩城さんを置いて、

俺は今、ここにいる。

岩城さんと並んで恥ずかしくないように。

なによりも、

俺が、俺らしくあるために。

そうでないと、

岩城さんだって、喜ばない。

何のための試練?

こんなことで、

つぶれるようじゃ、

岩城さんに相応しくないよね。





白いシーツの上。

岩城さんの、上気した肌、

熱い声。

俺に縋る腕。

俺を包み込み、

絡め取る岩城さんの後ろを思い出して、

思わず握りこんだ。

目の前の写真の中の岩城さんが、

切羽詰った俺に、

『しょうがない奴だな。』

って、笑った気がした。





岩城さんが、

俺を勃たせるときみたいに。

・・・上手いんだよな、岩城さん。

俺より上手い。

あっという間。

・・・っていうか・・・。

岩城さんだからだよな。

あの人以外に触られても、

もう、何も感じないだろうな。





岩城さんの中を探ってるみたいに、

自分の手を動かす。

熱い、濡れた襞。

俺自身が蕩けそうなほどの。

それに包まれてる自分を思い出して。





まっさらな心で、俺を捕らえた人。

身体も・・・

まっさらだったけどさ〜。

あんな色っぽくなるなんて、

思ってなかったよ、正直。

まさか、自分と同じモノ見て、

勃つとは思わなかったし。





ってか、実際今、岩城さんの思い出して、勃ってるし・・・。





どうしようもなく、

気持ちいいんだよね、

岩城さんの中って。

俺がそうしたんだけど。

素質、あったんだとしか思えないよね。

言うと、怒るだろうけど。

そうじゃなきゃ、あんなにすっごいことになるわけないって。





目の前に、岩城さんの姿が浮ぶ。

真っ白い肌。

綺麗な筋肉ののった肩、

そこから絶妙にのびる、首筋・・・。

長い、しなやかな、腕。

少し俯き加減に、俺を見上げる、顔。

くびれた、腰。

長い脚が、俺の腰に巻きついて・・・。





・・・って、それだけで、達けちゃうわけ、俺・・・。





岩城さんも、

俺のこと思い出して、

やってたりして・・・。

・・・絶対、やってる。

でないと寂しいって言うかさ。

変かな、俺・・・。














2006年10月9日
本棚へ