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Whisper Words of Love






「・・・はやくっ・・・」



仰け反る頤。



「・・・ああっ・・・」



寄せられた眉。



「・・・もっとっ・・・」



しがみ付く腕。



「・・・いいっ・・・」



震える声。



流れる涙。



乱れる髪。



「・・・もうっ・・・」



求める腰。



熱い吐息。



上気した肌。



額に浮かぶ汗。



「・・・そこっ・・・」



蠢く身体の内。



絡みつく足。



背中にたてる爪。



自分の美しさに気付かない、



俺の、



至上の恋人。



気付いて欲しくはないけど。



今でさえ、



その気もない男を虜にする。



その妖しい魅力に、



みんなが絡め取られ、



翻弄される。



自覚されたら、



俺のほうが、



きっと、



死んじゃうね。



・・・激烈だろうな。



でも・・・。



わかってる。



「・・・かとうっ・・・」



その唇が呼ぶのは、



俺の名だけ。



今までも。



これからも。



「・・・欲しいっ・・・」



求めてくれるのも。



求められるのも。



俺だけ。



「綺麗だ。」



そう思う相手も。



「・・・深くっ・・・」



繋がりたいと思うのも。



お互いだけ。



「愛してる。」



俺が、



そう、



告げるのも。



「・・・俺もだ・・・。」



俺に、



そう言ってくれるのも。








「・・・岩城さん・・・。」



俺を射抜く瞳。



「・・・可愛い・・・。」



心をくすぐる声。



優しい指先。



「・・・はいるよ・・・。」



早鐘のような鼓動。



力強い腕。



香ばしい匂い。



俺を魅了してやまない、



貪欲な美しい獣。



「・・・最高だよ・・・。」



甘い囁き。



火照る身体。



重なる肌。



お前の重み。



手のひらに、



心地よい、



逞しい背中。



「・・・いいよ・・・。」



猛々しいお前のもの。



信じてる。



お前の、



まっすぐな心。



溢れんばかりの、



愛を、



惜しみなく注いでくれる、



俺の、



生涯の伴侶。



「・・・いくよ・・・。」



お前が抱くのは、



俺だけ。



俺が、



一つになりたいと思うのも、



お前だけ。



お前は、



俺のもの。



・・・嬉しい。








「俺は、幸せだ。」








「俺も、幸せ。」








   〜終〜




2005年2月12日

















これは、
某所のチャットでの、
kaz様とのお話しから
ヒントを頂いて
出来上がったものです。
kaz様、
ありがとうございましたv