「揺るがない熱」







「あなたを愛して良いですか?」

「あなたに愛されても良いですか?」

自問自答‥‥‥答えが出ない

でも、自分の答えは‥‥‥

「あなたに愛されたい」

「あなたを愛したい」





「香藤」

岩城さんの声がする‥‥‥

でも、此処はアメリカ‥‥‥岩城さんは東京にいるのに‥‥‥

「香藤!」

さっきより少し強い口調‥‥‥そんな事あるのかな?

もぞもぞ動くと、此処がベットの上である事に気づく。

窓から日が照らしている感じもわかるが‥‥‥やわらかい気もする‥‥‥

「香藤!!いい加減起きろ!今日はお前の住んでいる所連れて行ってくれる約束だろう!!」

岩城の声が怒った口調だが、楽しそうに聞こえてくる。

「えっ‥‥‥あっ、岩城さん‥‥‥」

その声にようやく目が覚めて、見渡すとそこがホテルの一部屋だとわかった。

そうだった‥‥‥1週間前、岩城とその他の冬蝉メンバーが俺の来ていた町、ロスについたのだった。

それからは、舞台挨拶、インタビュー、久しぶりに岩城さんと同じ土俵での生活をしていた。

「どうしたんだ?」

岩城が香藤の顔を覗き込んで、聞いてきた。

「うん‥‥‥ごめんね。岩城さんが此処にいる事を、夢だって思ってさ‥‥‥驚いた」

香藤が笑顔で言い返すと、大きくあくびをした。

「長かったな‥‥‥今回、離れているのが」

岩城が呟く。

「長かった‥‥‥ね。ねぇ、キスしていい?」

香藤が岩城の顔を見つめたまま、聞いてくる。

「どうした?」

岩城が心配そうに聞き返すと、

「うん、自分がね。ここにいる事がね夢みたいなんだ。

まだ、岩城さんの横に並んで歩いて良いのか解って無しね。

だから‥‥‥確認したいなって思って‥‥‥駄目?」

上目使いで岩城の顔を見る香藤は、捨てられそうな犬のようだった。

「香藤‥‥‥納得いくまで、キスしてやろう」

岩城もまた、確信が欲しかった‥‥‥香藤の唇についばむようにキスを落とした。

お互いが、お互いを確認していくような、バードキス

離れたとき顔を見つめ、髪や頬を指で確認して、温かを確認して‥‥‥

このまま、離れたくない‥‥‥二人はそう思ったのか、抱きしめあったのだった。

お互いの鼓動を確認して‥‥‥





天窓から注いでいる日差しは、暖かく二人を包んでいた。

朝の日差しの中で二人は、自分の心の寂しさを埋めるように求めあった。

夕べ、疲れてシャワーを浴びてTシャツの姿で寝ていた香藤は、

キスしつつ服を着替えていた岩城のシャツボタンをはずし始めた。

「香藤‥‥‥くすぐったい‥‥‥」

体に触れる香藤の指の動きに、岩城は身をよじる。

「久しぶりだ‥‥‥岩城さんの肌の感触‥‥‥」

香藤は嬉しそうに、岩城の肌の感触を楽しんでいる。

「ばか‥‥‥やろう‥‥‥」

岩城もまた久しぶりの感覚に、急な反応を示し息が上がるのが止まらない。

「岩城さん‥‥‥岩城さん‥‥‥」

香藤は岩城の反応に更に嬉しがって、体をくまなく触り、白い肌が桜色になるのを楽しんでいる。

「お前‥趣味‥‥‥わ‥るすぎ‥‥‥だ」

岩城が香藤の手で反応する自分に目をつぶり、香藤のせいにして愚痴をこぼす。

「だって‥‥‥岩城さん‥‥‥我慢できない‥‥‥」

香藤も本当は限界に近かった‥‥‥

岩城がロスに来てから、今日までプライベートで触る事が出来なかったからだ。

「愛してる‥‥‥岩城さん」

今まで抑えていたものが此処に来て、急な勢いでこみ上げて来た。

「香藤‥‥‥俺も‥だ」

岩城は、香藤の背中に腕を回すと、自分の方に抱きしめ耳元に囁いた。

その言葉に岩城は体が熱くなる‥‥‥耳まで朱に染まる。

「クスッ‥‥‥かわいい」

その姿を見た香藤は、深いキスを仕掛けた。

此処までくると、最後までもう止まれない‥‥‥

香藤の舌を求め、岩城の舌が香藤の口腔に忍び込んでくる。

香藤はその事に気づきつつも、唇のみのキスを岩城に与え続ける。

岩城の片目が少し開いて、無言で香藤に『意地悪だぞ‥‥‥お前』と言っているのを感じ、

ようやく香藤の舌が岩城を捕らえ始めた。

お互いの暖かさにしびれるような感覚がもたらされる‥‥‥

「クチュ‥‥‥クチュリ‥‥‥」

二人の耳には唾液の混じりあう音しか聞こえなくなっていた。

急に香藤がキスを離すと

「岩城さん‥‥‥反則‥‥‥」

見ると、香藤のTシャツの裾から手を潜り込ませ、肌に直接触れていた。

「‥‥‥お前も‥‥‥熱いくせに」

岩城は香藤の熱を確かめ、潤みだした瞳を向ける。

「岩城さんといるんだよ‥‥‥解っているでしょう‥‥‥」

香藤の息も煽られたように、熱く漏れ出す。

「そうだな‥‥‥香藤‥‥‥」

岩城は更に香藤を見つめる。

「いい?岩城さん」

「来い‥‥‥香藤‥‥‥」

同時に二人の口から声が出た。

この言葉を皮切りに、もう止めるすべは無かった‥‥‥

岩城の手が香藤のTシャツを剥ぎ取ると、お返しのように香藤がズボンのボタンをはずす。

肌を朝日の中に総てさらけ出すと、お互いが何も無い常態を確認する。

「岩城さん‥‥‥此処に、後つけていい?」

香藤がそういいつつも、服に隠れるだろう鎖骨の部分にキスの朱を散らした。

「香藤‥‥‥俺も‥‥‥」

岩城の言葉は途切れるが、やはり同じ位置にキスの朱を落とす。

お互いがお互い所有の証のように‥‥‥

二人の間に有る物が、自己主張を始めている。

香藤の手がすっと動き、それを自分の手の中に収める。

「あっ‥‥‥ぅ」

思わぬ刺激に岩城の吐息が漏れる。

「興奮‥‥‥する?」

香藤が反応に嬉しそうに、聞き返す。

「もうしゃべるな‥‥‥ばか‥‥‥や‥ろぅ」

岩城は香藤の手の動きに煽られつつも、息切れに言い返すと目を閉じた。

香藤から与えられる物を逃したくないように‥‥‥

香藤も岩城のモノと一緒にしごき始め、息を詰める。

餓えていた‥‥‥コレに‥‥‥

求めていた‥‥‥彼に‥‥‥

久しぶりの体、香り、そして‥‥‥自分に向けられる愛おしさ‥‥‥

もっと‥‥‥もっと‥‥‥

理性が切れそうなのを、押しとどめ‥‥‥

その姿を自分の目に焼きつけ‥‥‥

岩城を高みにへと追い立てる‥‥‥

「あっぁぁ‥‥‥かっ‥とぅ‥‥‥かとっ‥‥‥」

香藤の手で追い詰められ、岩城は解放する。

「岩城さん‥‥‥」

手淫で追い立てられた、岩城はそれだけでも意識を飛ばしかねなかった。

「まだ‥‥‥だよ」

香藤が自分の指に放たれた蜜をペロリと舐めると、クスッっと笑い岩城自身を見つめた。

「見るな‥‥‥バカ‥‥‥」

岩城が香藤の行動に気づき、言い返すがその声はますます甘い‥‥‥

「調べさせて‥‥‥安心させてね。疑うつもりじゃないけど‥‥‥

自分の目で知りたいから‥‥‥岩城さん」

香藤はそのまま、岩城自身を口に含んだ。

「あっ‥‥‥うぅん‥あぅ‥‥‥か‥とぅ‥‥‥」

岩城の甘い声が上がる。

「納得‥‥‥するまで‥はぁ‥‥‥あぁ‥‥‥付き‥会う‥‥‥から‥‥‥ああぁ‥‥‥」

途切れ途切れの声で岩城が答え、香藤の髪に自分の指を差し込む。

香藤は岩城の蜜に酔い、更なる愛撫を加える。

岩城の肌が朱に染まり、匂い立ち始める。

「あっううん‥‥‥香藤」

岩城が我慢できないように、香藤を求め始める。

岩城自身からは止め処ない蜜があふれ始めるのを、香藤は嬉しそうに味を確かめる。

「岩城さん‥‥‥濃いね‥‥‥本当に久しぶりだ‥‥‥」

香藤は嬉しそうに先走りの蜜を舐め採り、岩城を攻め立てる。

「香藤‥‥‥かとぅ‥‥‥」

岩城は我慢できずに、香藤の口腔内に放った。

香藤はそれを受け止め、岩城の更なる奥の蕾に指を走らせる。

ビクッと岩城の体が動くが、大きな吐息を吐き出す。

香藤は口の中の蜜を自分の指に少しから娶ると、その蕾に塗りこめ始めた。

「本当に‥‥‥俺だけ‥‥‥だね」

香藤が嬉しそうに、指を先に進めるがそこは硬く閉じていた。

久しぶりの感覚に岩城の体が一瞬だけ硬くなる。

しかし体が香藤の事を覚えているように、硬かったのは始めだけで後はすんなりと指を受け入れた。

「あぁ‥‥‥かと‥‥‥」

岩城の体はさらなる快感を期待しているようだ。

「岩‥‥‥城‥‥‥さぁ‥ん」

香藤もその姿に煽られる。

先ほど岩城と共に出したはずの香藤自身は回復していた。

二人の離れていた時間を考え、香藤は丹念に岩城の蕾を愛撫し、解きほぐそうとする。

それが岩城には、耐え切れない快感となり、声を抑えるすべをわすれ、香藤を求める。

狂おしく甘い時間‥‥‥永遠に続く‥‥‥続かせたい二人だけの時間だった。

「いい?岩城さん」

時間をかけ解きほぐした蕾に、香藤は香藤自身を押し付けた。

「来‥‥‥い‥かとっ」

甘いと息に邪魔されつつも、岩城は香藤の顔を潤んだ目で見つめ、答えた。

「その言葉‥‥‥好きだな」

香藤を受け入れる為に、岩城が口にする言葉‥‥‥『来い』

香藤以外は聞けない言葉だろう。

受け止めてもらえる‥‥‥そう信じていられる言葉だった。

「あっ‥‥‥ああっ‥‥‥うぅ」

急な圧迫に岩城の息が詰まる。

「大丈夫?」

香藤の動きが、止まるが岩城は大丈夫だと声にならない唇で答える。

「岩城さん‥‥‥熱いよ‥」

香藤は更に腰を進め、岩城の熱を感じ持っていかれないように必死だった。

この熱に、香藤も酔ったし、岩城も翻弄される。

二人の存在も一つになってしまうように、お互いを求め合うのは、熱い吐息とベットのきしむ音‥‥‥

そこにあるのは、それだけだった。





「あいかわらずの絶倫だな‥‥‥香藤」

岩城はシャワーを浴び終えて、ベットの淵に座った。

「フフン、今までが禁欲だったからね〜〜〜俺は岩城さんにしか発情できないし、すごかったでしょ」

香藤が嬉しそうに言い返す。

「バカ‥‥‥」

顔を赤くして、香藤のお尻をぺチンと叩く。

「岩城さんの中‥‥‥気持ちいいんだもん」

香藤が枕を抱きしめ、うっとりと言い返す。

「だから‥‥‥抜かずの3発か‥‥‥俺の負担考えろ」

岩城は呆れた口調で言い返し、ふと、時計に目をやると時間は昼の1時をさしていた。

「お前の住んでいる所‥‥‥みたいけど、行けないか?」

時間を確認して、岩城が香藤に聞き返す。

「大丈夫だよ。明日も休みだから、今から出ると十分にいけるよ」

香藤が起き上がる。

あのまま、ズルズルとこの時間までベットの上で過ごしてしまった。

「はぁ‥‥‥あの時の二の舞になるんじゃないかと、焦った」

岩城は苦笑して言い返すと、立ち上がる。

「あの時って‥‥‥?」

香藤が聞き返す。

「思いつかないか?シャワー浴びるなら早く浴びて来い」

岩城は楽しそうに言い返すと、香藤のお尻を再び軽く手で叩いた。

「岩城さんは浴びちゃったの?チェッ!!」

服を着始めた岩城の姿を見て、香藤は立ち上がるとシャワー室に歩いていった。

「お前の匂いが染込むまで‥‥‥一日中ベットの中に‥‥‥だよ」

香藤の後ろ姿に岩城は答えると、立ち上がり服を準備した。

これから香藤がこのアメリカでどんな生活をしていたかを知りに行く。

岩城も自分がウキウキしているのが解る。

「いい天気だ‥‥‥」

窓の外の天気を見て、岩城は大きく深呼吸をした。

嬉しそうに香藤が説明をしてくれるのが目に浮かんでくる‥‥‥

知らない場所でのデートに心をはせる、岩城だった。






                         ―――――了―――――


                            2006・2   sasa

戻る うひひひvv って、やらしいオッサン笑いが出そうですvvv(笑)
岩城さんの、「来い。」 言われてみた・・・・(蹴)
sasaさん、相変わらずエロイッすわvv
強奪お宝ですvv
ありがとうございますvv