紫陽花






まるで、紫陽花のように、

岩城さんの肌は、

色を変えていく。



白い肌が火照り、薄く色づく。

ゆっくりとピンク色に変わる。

それから、赤みが増していって、

乳首がたち上がる頃には、

陽炎が立つように、熱を持つ。



うねる身体が、妖艶に色づき、

汗ばみ、匂うような肌が、

輝きだす。



もう、その頃には、

俺はその岩城さんに、

惑乱されて、どうにもならなくなってる。



でも・・・

それは、俺にだけ見せる姿。

俺だけが、

この人の肌を、そう、変えることが出来る。

他の誰も、

岩城さんの中には入れない。



うねる、桜色の肌。

岩城さんの官能を、ダイレクトに伝える。

反り返る胸。

桜色より濃い、乳首が勃つ。



全身が真っ赤に燃えて、

岩城さんは達くんだ。

足の指から、手の先まで、紅色になって。

痺れたように、震えてる。



息が整っていくうちに、

少しづつ、色が落ち着いていって、

また、色が変わる。

肩で息をしながら、俺を見上げるその顔。

頬が上気して、

涙流して。

それも、岩城さんを彩る、綺麗な色。



濡れた唇の色も、

瞳の色も、

肌の色も、

全部、俺を捕らえて放さない。



誰も知らない、岩城さんの変化。

囚われたんじゃない。

俺は、自分から飛び込んだんだ。

この岩城さんが見たくて。

この姿に、させたくて。



どうしようもないね。

囚われたままでいいさ。

俺は、岩城さんのものだから。

それが、嬉しいから。



この幸せ、岩城さんも感じてる?




    弓


  2006年5月21日




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